「第17回台日観光サミット」苗栗で開催 “慢旅・深遊”をテーマに台日観光交流の新時代へ

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台湾と日本の観光交流促進を目的とした「2026年第17回台日観光サミット」が5月28日、29日の両日、台湾苗栗県で開催された。双方の観光行政機関、旅行業界、航空・鉄道関係者、地方自治体など約180人が参加し。「慢旅・深遊・共好(スロー・ディープ・トラベルと共生)」をテーマに、持続可能な観光の未来について議論を深めた。

台日観光サミット」は、台湾交通部観光署、台湾観光協会、日本観光振興協会、日本旅行業協会が毎年共同で開催している台日観光交流の重要なプラットフォーム。台湾と日本が交互に主催している。観光業界の交流にとどまらず、双方のインバウンド・アウトバウンド市場の活性化、地方観光振興、人的交流拡大などを目的としている。

日本側からは国土交通省観光庁、日本台湾交流協会、日本政府観光局(JNTO)、日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)のほか、航空会社、鉄道事業者、宮崎県、福井県、三重県、鳥取県、愛媛県、高知県など地方自治体の観光関係者が参加。台湾側からは苗栗県、台北市、新北市、桃園市、台中市、南投県、台南市、高雄市など各地の観光部門や観光関連団体、台湾日本関係協会などが出席した。

会議前日の歓迎レセプションでは、台湾交通部観光署の陳玉秀署長、台湾観光協会の葉菊蘭名誉会長、簡余晏会長、そして苗栗県の鍾東錦県長らが出席し、日本からの来賓を歓迎。会場では台日双方の観光関係者が積極的に交流し、今後の協力強化に向けた意見交換が活発に行われた。

今年のテーマは「慢旅・深遊・共好」。昨年、鳥取県で開催されたサミットで採択された「持続可能な観光宣言」を継承し、低炭素・環境配慮型の観光スタイル推進が重要議題となった。双方は、単なる観光地巡りではなく、地域文化や自然、暮らしを深く体験する“スロー・トラベル”の推進を確認。低炭素交通、環境配慮型宿泊施設、地方資源を活用した観光商品づくりなどを通じ、SDGs理念に沿った新たな観光モデルの構築を目指す。

陳玉秀署長は「台日観光サミットは長年にわたり台日観光交流を支える重要な架け橋となっている。台湾政府は2030年までに観光産業1兆元規模を目指し、今後も“量と質の両立”を重視し、日本と共に観光市場を拡大していきたい」と述べた。

また、日本観光振興協会の菰田正信会長は「日本は台湾にとって最大の訪台市場である一方、双方向交流にはまだ成長の余地がある」と指摘。日本政府に対して日本人海外旅行需要回復に向けた戦略見直しを提案していることを明かした。

さらに、日本観光庁の田端浩参与は「台湾は日本にとって重要な海外旅行目的地の一つ」と強調。修学旅行による台湾訪問促進やオンラインパスポート申請の整備など、日本人の海外旅行再活性化に向けた施策を紹介した。

今回のサミットでは、苗栗県ならではの“おもてなし”も大きな注目を集めた。苑裡鎮では「台日友好 in 苗栗」と描かれた大規模な田んぼアートが制作して日本からの参加者を歓迎した。県政府によると「台日の友情が苗栗に深く根付き芽吹いていくことの象徴を表現した」という。田植えは3月に行われ、サミット開催時期に合わせて見頃を迎えた。

日本からの参加者らは29日、現地を視察し、田んぼアートを鑑賞。その後、苑裡鎮農会が運営する農園や直売所を訪問し、苑裡産ミニトマトやキュウリ、後竜産スイカを使用した炭酸飲料など地元特産品を味わった。

鍾東錦県長は「苗栗には温泉、日本統治時代のれんが造りアーチ橋遺構『龍騰断橋』、通霄神社、三義の木彫文化、苑裡のイ草文化など、日本との歴史的つながりを感じられる観光資源が数多くある」と紹介。「数日間ゆっくり滞在しながら地域文化を楽しむ旅に最適な場所」とアピールした。

サミット終了後は、日本側代表団向けに苗栗県内視察ツアーも実施。スイーツ観光列車「海風号」、彩り豊かな田園風景、藺草文化館、旧山線鉄道自転車、勝興駅、飛牛牧場、花露農場、自然派体験型農園、竹南ビール工場などを巡り、苗栗の自然、グルメ、客家文化、人文歴史の魅力を体験した。

閉幕式では、台湾観光協会の簡余晏会長と日本観光振興協会の菰田正信会長が共同で「苗栗宣言」を採択して発表した。低炭素観光と地方創生を軸に、地域資源を活用した持続可能な観光モデルの推進、特色あるテーマ型観光商品の開発、双方向交流人口の拡大などを確認した。

まお、次回「第18回台日観光サミット」は2027年、宮崎県で開催される予定。台日双方は今後も観光を通じた交流を深め、地域経済と文化交流のさらなる発展を目指す。