
『日本経済新聞』は七月三十一日、特集記事の中で、高市早苗首相の就任以来九か月間、内閣支持率が一貫して自民党支持率を上回り、その差は平均二十九ポイントに達し、自民党政権では過去最大となったと報じた。
最近の世論調査では支持率がやや低下したものの、高市首相の人気は依然として高い。日本政界でいう「首相プレミアム」がなお続いており、政党支持とは別に、高市首相個人を支持する層が着実に広がっていることを示している。
党内に派閥という後ろ盾を持たない高市首相にとって、これは個人的な人気の高さを示すだけでなく、改革を進めるうえでの大きな政治的基盤であり、自信の源でもある。
しかし、首相の高い人気が国民の支持を集めても、それだけで党内をまとめられるとは限らない。
『日本経済新聞』が七月二十九日に公表した最新の世論調査では、高市内閣の支持率は五八%となり、就任九か月で初めて六〇%を下回った。
それでも、「短命内閣」が珍しくない日本政治の中では、依然として極めて高い支持率である。とはいえ、本当に注目すべきなのは支持率の数字ではなく、問題が野党ではなく自民党内に現れ始めている点だ。
高市首相は派閥の支えがないため、就任以来ほとんどの案件を自ら判断し、自身でも「睡眠時間は一日三時間にも満たない」と明かしている。その仕事ぶりは国民から高く評価される一方、官邸への権限集中を招いているとの見方もある。党内からは、重要政策について十分な事前調整が行われていないとの不満も聞かれる。
とりわけ今年一月の衆議院解散や、最近の「副首都法」「国旗損壊処罰法」「皇室典範」改正案などは、党内で十分な合意形成がないまま進められたとして、与野党の対立を招き、自民党内からも「近年で最もひどい国会運営」との批判が上がっている。
さらに、二〇二七年に食料品の消費税を一%へ引き下げる構想や、総裁選でのAI音声による誹謗中傷問題の余波もあり、党内の反発は徐々に表面化しつつある。
日本政界には「選挙は首相が勝ち取り、政権は党内が支える」という見方がある。首相を誕生させるのは国民の支持かもしれないが、政権の命運を左右するのは、結局のところ党内の結束である。
今後、高市首相は八月のお盆休みを利用して内閣改造と党役員人事を行い、党内の立て直しを図るとの見方が強い。
高市首相にとって、これからの本当の課題は「首相プレミアム」を維持することではない。高い人気を党内の結束へと結びつけられるかどうかにある。
国民の信頼を得ることは政治指導者としての魅力であり、党を一つにまとめることこそ、政権を担う指導者に求められる真の力量なのである。
投書人:大田一博
2026年8月4日























































